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なぜ企画書は通らないのか?AIが変える「通る構造」

前回は、AIを「企画の主役」にしないという、トラスト・プランの基本的な考え方を整理した。今回はその続きとして、より実務的なテーマである「企画書」に焦点を当てたい。

企画書が通らない理由は、一概には言えないが、経験上・・
① 課題設定が曖昧
② 根拠が弱い
③ 実行後の姿が見えない
この三点に、ほぼ集約される。逆に言えば、表現やデザイン以前に、「構造」の問題であるケースが多いと思う。

ここでAIが活きるのは、「文章をうまく書く」場面ではない。僕が注目しているのは、企画書に至る前段階の思考整理だ。過去の成功事例、失敗事例、類似企画、市場データ、社内事情。人間が頭の中で“なんとなく”処理してきた情報を、AIに一度すべて棚卸しさせる。その過程で、「この企画は、どこが弱いのか」が驚くほど可視化される。

たとえば、企画書の冒頭によくある「背景説明」。
ここが長い割に刺さらない企画は多い。AIを使えば、背景情報を複数パターンで要約させ、「誰に向けた説明か」によって書き分けることができる。経営層向け、現場向け、社外向け。同じ事実でも、最適な語り口は異なる。これは人間の感覚だけに頼ると、どうしてもブレが出る部分だ。

また、AIは反論役としても優秀である。
「この企画の弱点を10個挙げよ」「反対意見を経営者の立場で書け」といった問いを投げることで、企画書に“想定問答”を内蔵できる。この手法は書き手としては常套手段であ、結果として、企画書は単なる提案書ではなく、意思決定を支援する資料へと進化する。

もっとも、ここで注意すべき点がある。
AIが整えた企画書は、往々にして「正しすぎる」。ロジックは美しいが、どこか体温がない。トラスト・プランでは、最終的に「違和感」を残すかどうかを人間が判断する。少し尖っているか、少し不完全か。その“ノイズ”こそが、企画を記憶に残すからだ。でも、この塩梅が難しい。

次回は、トラスト・プランが多く手掛けてきた、「AI×教育コンテンツ」をテーマに、企画・教材・出版の現場でAIをどう位置づけるべきかを掘り下げていきたいと思う。
AIは教える存在なのか、それとも思考を補助する存在なのか。
その問い自体が、これからの企画テーマになっていく。

トラスト・プランとしては、AIを万能な答えとは考えていない。
むしろ、問いの精度を上げるための装置として向き合っている。
企画書が通らない時、足りないのは言葉ではなく、問いなのかもですね。。。