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文化・芸術・エンターテイメント 装飾(フラワー・人工樹木・アート)

樹高7m超、人工樹木の制作・設営

大型人工樹木の設営工程

いよいよ、3月に入り春らしい気候になってきました。一方では、オミクロンの感染者数が高止まりの傾向を示しており、同変異株による第7波の懸念も囁かれているようです。そして、コロナとはまた別の恐怖が、ロシアによるウクライナ侵攻です。連日のように一般市民が犠牲となっているニュースが報道されていますが、決して対岸の火事ではないことも私たち日本人も意識する必要があるのではないでしょうか。
さて、本日のフリー企画書のテーマは、表題にもありますが、大型人工樹木についてです。このテーマについては、過去にも取り上げており、数件のご質問を頂きました。その中の質問に今回は答えさせて頂きます。
質問には、シンプルに「大型樹木とはどんなものですか?」という内容のものが2件ありましたが、添付ファイルを見て頂ければ一目瞭然、よく理解して頂けると思います。
先日(2022.2.21)、徳島市内のこども園で設置作業があり、その経過を写真とともに詳しくご説明致します。
添付ファイルの内容をダイジェストでお話しすると・・
①仕様 ■樹高(地面~先端葉)約7200mm ■樹幅(最大幅)約4700mm ■主要躯体幹数 3本 ■大・中枝数 計25本
■小枝 計20本
②今回のケースでは、新築施設の白壁と内階段のスペースギリギリの設置のため、幹の引き上げ時や枝の設置には細心の注意が必要であった。またこども園という施設の性質上、枝葉は園児の手の届く範囲には、張り出せないので、建設責任者の指示に従い、トリミングを徹底した。
③メインの幹は3本。1本は慎重に地面の土台に取り付け、その後2本を所定のポジションに設置。前記した通り、白壁と階段にかなり接近した設営なので、神経を使う設置作業であった。また、25本後付けする枝の張り具合も想定する必要もあるので幹の設置はセンスが求められる。
④幹に25本ある枝を全体のバランスを見ながら、順次設置していく。和歌山の工房内では仮組み(2ページ)をしているが、壁や階段とのバランスや建物の空間とのバランス、つまり視覚的なバランスなどを考慮することが求められる。枝を固定するためには、場合によりワイヤー(針金)による吊り上げも行う。
⑤枝の設置と同時に、全体のバランスを整える重要な作業が、小枝の設置である。この作業は現場でドリルホールを開け、随時行う。全体的に20箇所程度補充したが、この有無が全体のイメージやリアル感を一気に演出する。同時に目隠しの役割を果たす箇所もある。幹と幹、幹と枝の接合部には、クラックや微妙な隙間が生じる箇所があり、その対処法として、おがくずの糊付けや端木による埋め込みなどがある。そして仕上げには茶系のスプレーペンキをセンス良く塗布する。
以上が、今回の人工樹木の全体像とその設営風景で、詳細については、写真付きの添付資料をご覧ください。
人工樹木といっても、葉っぱと小枝以外は全て間伐材、つまり本物の木を乾燥させたものを使用してるので、当然ながらリアル感はしっかり出ています。一見すると本物の樹木と見間違えてしまいます。事実、作業中の職人(大工)さんが、「よくこんな木を植えたもんやね~」と感心されて、人工物だと伝えるとかなり驚かれました(^^)
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